ライブコマースが世界的に注目を集めるなか、Shopeeは東南アジア最大級のECプラットフォームとして「Shopee Live」という機能を提供しています。日本企業や個人事業主が参入しても活用しやすく、正しいやり方を習得すれば売上を飛躍的に伸ばせる可能性を秘めています。
本記事では、Shopee Liveとはどのような機能なのか、なぜ成果が出るのか、そして実際に成功した事例とそこから学べるポイントを解説します。ライブコマースを取り入れて、より多くのユーザーと直接コミュニケーションを取りながら商品をアピールしたい方は必見です。
Shopee Liveとは？東南アジアで急成長するライブ販売機能
Shopee Liveは、Shopeeアプリ内で配信者がライブ映像を流しながら、リアルタイムで商品を紹介し、視聴者がその場で購入できる機能です。中国やアメリカなどで進んだライブコマースの波が、東南アジアでも急速に広がっており、Shopeeはそのトレンドを積極的に取り込んでいます。
動画×リアルタイム接客＝コンバージョン率向上
ライブコマースの強みは、ユーザーが「動画を見ながらリアルタイムで質問できる」ことにあります。静止画やテキストだけでは分かりにくい商品特徴も、配信者がデモンストレーションすることで理解を深めやすくなり、CVR（購入率）が飛躍的にアップするのです。
また、ライブ配信中に「限定割引」や「プレゼント企画」などを行うことで、「今買わないと損」という心理をかき立てられ、視聴者の購買意欲が高まりやすい点も特徴です。
フィリピン・マレーシア・シンガポールなどでの利用傾向
東南アジアの多くの国々でShopeeはトップクラスのシェアを持ち、フィリピンやマレーシア、シンガポール、インドネシアなど幅広い市場で活発に利用されています。
特にZ世代やミレニアル世代を中心にスマホでライブを楽しみながら購入する文化が根付き始めており、Shopee Liveは「ただの販売チャンネル」ではなく、「エンタメ要素のある体験」としてユーザーに受け入れられています。
一般出店者でも無料で使える公式機能の魅力
Shopee Liveは基本的に追加の月額料金や初期費用を必要とせず、一般の出店者でも手軽に始められるのが大きな魅力です。高額な撮影機材やスタジオがなくても、スマホとネット接続があれば配信可能。
もちろん、プロモーションを強化するなら広告やインフルエンサー起用などで予算が必要ですが、まずは低コストからトライアルできるという点が、多くのセラーにとって大きなメリットになっています。
ライブコマースが成果を生む3つの理由
Shopee Liveに限らず、ライブコマースという手法がECにおいてパワフルな武器となるのは、以下のような効果が得られるからです。
① 商品理解が深まる → 離脱率が低下
動画によるビジュアル情報とリアルタイムの説明を組み合わせることで、ユーザーが「この商品は自分に合いそう」と判断しやすくなります。静止画や文章だけでは分からなかった質感や使い方を直接目にできるため、購入前の不安が解消され、離脱が少なくなるのです。
② 質問対応→即購入の導線がつくれる
ライブ配信中にチャット機能で視聴者からの質問を受け付け、即座に回答することで、悩みや疑問を解消した視聴者がそのまま購入に進むケースが多々あります。
ECサイトの問い合わせフォームやメール対応に比べて、リアルタイムで返信が来るためユーザーの熱量が冷めないのが大きなポイントです。
③ 限定性・ライブ感で購買意欲が刺激される
ライブ配信中だけの限定割引や特典、在庫数を限定してカウントダウンするなど、「今しか買えない」というライブならではの緊迫感を演出できます。
視聴者同士がコメントで盛り上がる様子を見て、“自分も買わなきゃ”というFOMO（取り残される恐怖）心理が働き、通常よりも高い購買率が得られることが珍しくありません。
Shopee Liveの成功事例①：化粧品ブランドA社（フィリピン）
実際にShopee Liveを活用して大きな成功を収めている企業はいくつか存在します。ここでは、フィリピン市場での化粧品ブランドA社の事例を見てみましょう。
インフルエンサー起用 × 限定セット販売でCVR 3.8倍
このブランドA社は、フィリピン人インフルエンサーをゲストに迎え、人気商品の使い方やメイクのコツを実演するライブを実施しました。配信内では、ライブ視聴者限定のセット商品を特別価格で提供し、一度に複数アイテムを購入してもらう戦略を展開。
結果、普段のEC販売と比較してCVRが3.8倍に跳ね上がり、セット商品は配信開始後30分ほどで完売。インフルエンサーのファンコミュニティにも情報が拡散され、配信後も売上増が続いたそうです。
配信前・中・後の施策設計とユーザー巻き込み設計
成功の秘訣は、配信の前段階からインフルエンサーのSNSで告知し、「当日限定のプレゼント」やライブクーポンの存在をアピールしたこと。また、配信中には視聴者のコメントを随時ピックアップして回答し、親近感を醸成。
配信後は、購入者レビューをSNSで紹介したり、次回配信に向けた告知を早めに始めることで、長期的にファンを増やすサイクルを構築しています。
Shopee Liveの成功事例②：家庭用品ブランドB社（マレーシア）
続いて、マレーシア市場で成功した家庭用品ブランドB社のケースを見てみましょう。社員が実際に商品を使っている様子をライブ配信するというシンプルな手法ですが、ユーザーへの共感を得て売上を大きく伸ばしました。
社員による「日常レビュー形式」で共感を獲得
ブランドB社は華やかな演出や著名人は起用せず、自社の社員がリビングやキッチンで商品を使う姿をそのまま映すスタイルを採用。
たとえば、「この収納ボックスを使って子どものおもちゃを整理」「この調理器具で時短クッキング」といった“日常シーン”の再現が、視聴者に「自分の家でも使いやすそう」とイメージさせ、購入意欲を高めました。
Q&A活用で商品理解を深め、レビュー投稿も増加
配信中、コメント欄で視聴者が「サイズはどれくらい？」や「耐熱温度は？」といった疑問を投稿すると、その場で社員が測ったり試したりする形で回答を行い、商品理解を深めました。
視聴者が理解を深めたうえで購入に進むため、クレームや返品率も低減。さらに、購入後に実際に使ってみた感想をレビューとして投稿するユーザーが増え、Shopee内の検索順位やランキングにも好影響が出たとのことです。
成果につながるライブ配信のポイント
事例を踏まえると、Shopee Liveで成功を収めるには「企画・告知・配信・フォローアップ」といった一連の流れをしっかり設計することが重要です。具体的にどのような点に気をつければいいのでしょうか。
配信時間帯／告知のタイミング設計
東南アジアでは、仕事や学校が終わる夕方〜夜にスマホ閲覧が集中するケースが多いです。実際の対象市場（フィリピン、マレーシア、タイなど）の生活リズムや休日、SNSの利用頻度を考慮してベストな配信時間帯を探りましょう。
また、ライブ開始の1週間前〜前日にSNSやメール、Shopee内のプッシュ通知で告知を行い、視聴予約を呼びかけると当日の来場者数が大きく伸びます。
視聴者とのインタラクション（コメント読み上げ・プレゼント）
ライブコマースの醍醐味は、双方向のやりとりです。視聴者のコメントを積極的に読み上げて答える、配信者が「◯◯さん、質問ありがとう！」「この商品は〜」と親しく呼びかけるなど、ユーザーとのコミュニケーションを大切にしましょう。
また、コメントした人への抽選プレゼントや、ライブ中にクイズを出して正解者に特典を与えるなど、参加型の企画を用意すると盛り上がりが増し、購入率も上がりやすいです。
出演者のキャスティングとトークスクリプト設計
ライブ配信のクオリティは、出演者のトークやテンポによって大きく左右されます。インフルエンサーやタレントを起用するのも一つの方法ですが、社内スタッフであってもテンションが高く、商品をわかりやすく説明できる人なら十分に可能性があります。
トークスクリプトをあらかじめ準備しつつも、視聴者のコメントに柔軟に対応できるよう心がけることが大切。商品紹介の順番や強調ポイントを整理して、配信開始から数分以内に視聴者を引き込む構成を目指しましょう。
まとめ｜Shopee Liveは“やり方次第”で確実に成果が出せる施策
Shopee Liveは無料かつ簡単に始められる機能ですが、そのポテンシャルを最大限に引き出すには、事前準備や配信中のインタラクション設計が欠かせません。うまく活用すれば、通常のEC販売よりも圧倒的に高いCVRや売上増が見込めるため、試してみる価値は大いにあります。
まずは小さく始めて→PDCA→売れる構造に
最初から完璧なライブ配信を目指す必要はありません。むしろ、小規模なテスト配信を繰り返しながら、配信時間帯や告知方法、出演者の話し方などを修正してPDCAサイクルを回すことが大切です。
少しずつノウハウを蓄積し、手応えのある配信パターンが見つかれば、それを拡大しながら安定したライブコマースの収益源へと育てることが可能となるでしょう。
freedoorではライブ配信の企画・演出・運用まで支援可能
弊社freedoorでは、Shopee Liveを活用した販売促進を検討される企業に対し、以下のようなサポートを提供しております。
- ライブ配信の企画立案（テーマ設定・商品選定・インタラクション設計）
- 出演者アサインやインフルエンサー連携のコーディネート
- 事前告知・広告運用といったマーケティング施策全般
- ライブ後のフォローアップ（レビュー誘導、SNS拡散）
「自社スタッフだけで運用するのが不安」「どこから手を付けていいかわからない」という場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
Shopee Liveは今後ますます注目されるライブコマースの中心機能となるはずです。皆さんもぜひこの機会に取り入れ、ECビジネスを新たなステージへと押し上げましょう。
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